適正な治療費とは,高額であることも民主化の面からいけないのですが,フェア・トレードに代表されるように安すぎることも危険なのです.
以下に紹介する症例は,アメリカで矯正治療を開始され,
装置を入れたまま,治療途上で帰国して,当院にて継続治療した患者さんです.
矯正動的治療=取り外しの効かない矯正装置をセットし,実際に歯を動かして行く治療を終了し,
十一年経過しておりますが,歯並び・噛み合わせ共に安定しております.
もちろん下に示しましたAAO指定の,装置が入ったまま転院される方用のトランスファー・フォームに,
きちんと術前の資料と頭部エックス線規格写真の分析値も同封されていました.
初診時,受け口傾向を伴う
非抜歯(どこの歯も抜かずに矯正治療する)がサーストン先生の診断でした.異議はありませんでした. アメリカでの治療の経過が良かったため,1年弱=11ヶ月間の矯正動的治療終了しました.装置撤去直後の矯正歯科治療結果です.
また,使っていた装置も当院と同じ,エッジワイズ装置でしたので,継続して矯正歯科動的治療を開始しました.
その後も患者さんは定期的に術後のフォローに通われ,
矯正装置撤去後十一年が経過した時点での歯並び・噛み合わせの状態です.
ほとんどと言って問題となる状態の悪化は見られず,むしろ正しい咬合力が,経年的に頭蓋顔面全体に良い影響を及ぼしたことが見て取れます.