Diphasic(2段階)治療とよばれる本方法は,治療開始時期を第1期(およそ8歳くらいから)と第2期(およそ12歳くらいから)の2段階に分けた治療をさします.使用する矯正装置としては,通常の矯正歯科治療で用いるマルチブラケット・エッジワイズ装置を,4本の永久前歯と2本の6歳臼歯に挟まれて残存する乳歯を飛ばして2x4(two by four)として使用する.取り外しのきくヘッドギアやアクチベ−タなどの整形的装置を用いる.などの方法があります.
第1期にはおもに上下のあごの骨格の成長の不釣り合いの緩和や歯を容れる骨の器の大きさの拡大を行い,第2期では歯並びの矯正をします.つまり第1期=骨の治療・第2期=歯の治療ということになります.
左 : 治療開始時9歳8ヶ月.9mm あった上下前歯の水平的距離は2mm に変化した.
中 : 通算治療期間3年間(第1期8ヶ月間・第2期2年2ヶ月間)の頭蓋全体の形態変化の重ね合わせ.
第52回日本矯正歯科学会大会( 鹿児島)にて発表.
右 : 上下のあごいずれにおいても約一歯分の好ましい方向への歯の移動が起きた.
2段階治療のメリットとしては,治療期間中を通して徹底した予防歯科指導が行えることがあげられます.(ムシ歯の一本もないひとたちあつまれ!!にリンク.)
実際にこの方法による矯正歯科治療を受けた患者さんのなかに,ムシ歯の一本もないひとたちが何人もいらっしゃいます.また小臼歯を抜歯しなくても矯正治療をおこなえる確率が高くなることなどがあげられます.
アメリカのDr.J.A.Baileyよりの転医症例.初診時(左の写真)左側の犬歯の生えるすき間がまったくなかった.また,第2乳臼歯を早期になくしてしまったため,六歳臼歯が前方に動いてきてしまい,右側の第2小臼歯(前から5番目の歯