
成長期(7歳から11歳位まで)に前歯の間のすき間があるのは,むしろほとんどの場合正常な状態です.アメリカのドクターはこの時期をみにくいアヒルの子の時期(ugly duckling stage)とよんでいます,犬歯の萌出が完了すると美しい白鳥に変化するからです.したがって矯正治療する必要はありませんが,もし左右の犬歯が生えてきたあとにもすき間が残っている場合には上述した問題がないか,あるいは物を飲み込むときの悪い癖(舌突出癖などの口腔周囲筋の不良習癖)がないかどうか,一度矯正歯科を受診して確かめることをお勧めします.
正中離開を閉鎖するのに絶対してはいけないことがひとつだけあります.矯正装置をつけないで,一番前の歯2本にゴムをかけることは絶対にしないでください.歯の根は先端に向かってだんだん細くなっているため,ゴムはだんだん根の方に向かって歯茎に入り込みやがて見えなくなってしまいます.ゴムは徐々に歯周組織を破壊して歯はやがて抜けてしまいます.過去においてこういった無知による不幸な事故は,患者さんの思いつきから起ったこともありますが,歯科医によって引き起こされたこともあります.
