
なお高い水準の治療レヴェルを保つため,年間120名以上の新患の受付をしておりません.

最大で通常の1/10の線量で済むデジタルセファロ・パノラマレントゲンをはじめとして,高度先進医療機器に指定されているナソヘキサグラフなど,現在可能な限りの先進医化学機器を用い診断の精度の向上に努めています.2006年春の健保改正でも,顎変形症適合医療機関の施設基準である顎口腔機能診断に新たに頭部X線規格写真(セファロ)が加わりました.欧米では約8割の方が矯正歯科専門院を受診します.現在日本においては残念ながらこの比率がまさに逆転し約8割の方が一般歯科医院で矯正歯科治療を受けております.セファロなしの診断は目をつむっての着陸くらいに考えないと危険です.


当院で用いる患者さんのお口に直接入る器具はすべて,ヨーロッパ医科基準(prEN13060)で「あらゆる種類の被滅菌物を安全に滅菌することができる」とされるクラスBに分類される,高圧蒸気滅菌器 Lisa で滅菌しています(上図参照).滅菌過程中に真空と蒸気の注入を繰り返し作用させるW&Hステリライゼーション社(イタリア)オ−トクレ−ヴLisaは,従来のオートクレーヴではこれまで滅菌不可能とされてきた細長いチューヴの中や注射針の内部,幾重にも紙で包んだ中にも蒸気が行き渡るのを可能とする最新型の滅菌器です.通常の倍近くかかる滅菌過程を通じて完全滅菌を可能とし院内の相互感染の防止に貢献しております.さらに Lisa は,乾燥時にも,ドアを開けずに0.3ミクロンのバクテリアフィルターを通した清浄な空気の流入と真空を繰り返すことによって,外部の雑菌を入れずに清潔乾燥します.Lisa による滅菌では,あらゆる感染性微生物・HIV(エイズウイルス)・HBV(B型肝炎ウイルス)・MRSAなどを死滅させることはもちろんのこと,ウシ海綿性脳症(BSE)やヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病の原因であるプリオンまで失活させることが可能です.残念ながら外科処置と異なり矯正治療が感染性の低い事を理由に,日本ではいまだ使い終わったプライヤ−をアルコ−ル消毒だけで使い回す医院が多いようです.

治療途中で国内・海外へ転居される心配がある方につきましても,当院院長はWorld Federation of Orthodontists (世界矯正歯科医機構)Fellow,American Association Of Orthhodontists (米国矯正歯科医師会), American Dental Association(米国歯科医師会) International member に認定されておりますため,国内におきましても海外でもいずれも世界レベルで認定されている矯正歯科医院に矯正歯科継続治療を依頼できます.およそ南極やフレンチ・ポリネシアなどでないかぎり,ブレ−スをつけたままの世界への旅立ちが可能です.

しかしどこの矯正歯科医院でもというわけにはいきません.当院では高度先進医療機器に指定されているナソヘキサグラフで顎運動の3次元分析をおこない,アゴの機能分析をして診断してから矯正歯科治療をおこなってゆきます.また矯正歯科治療期間中を通じて最新咬合機能理論に基づく咬合調整をおこなっております.これは我が国の矯正歯科ではあまりおこなわれていないことです.どの矯正歯科を訪れても咬合調整が可能なタ−ビンがついたデンタルユニットを目にすることは皆無です.残念ながら矯正歯科治療自体を顎関節症の原因のひとつにしている風潮がいまだ国内にと留まらず海外においても見受けられます.矯正歯科学会に招聘される他分野の講師陣は口をそろえるようにして「帰りには気をつけるように」などと冗談交じりに揶揄してゆきます.特に成人矯正学会第5回学術大会特別講演で当時の日本歯科大学歯学部歯科補綴学教室第1講座の小林義典教授が,20歳代の主観的に健康な1140名の中から450項目のチェック項目をクリアした全てが正常レベルにある12名の被験者に0.1mmの高さと0.1mmのズレの干渉をそれぞれ付与して行った実験から,ほんのささいな咬み合わせのズレが全身の或は精神の健康に重大な影響を及ぼすことがわかったはずなのに,同業者から矯正治療期間中の顎関節症の発症を恐れていることをいまだに耳にします.本来アゴの機能を修正もしくは矯正してゆくべきはずの矯正歯科がなんとした恥かとおもいます.当院が1983年に単に矯正歯科としてではなく顎顔面整形歯科を意味するデントフェイシャルオーソピディクスを医院名に関したのはこういった背景があっての事です.顎関節症は矯正歯科治療によって,歯を人工物に置き換えたり金属を足したりせずに,歯を動かして高さを調節することによって治療可能です.
小林義典.成人矯正と機能障害. 日成人矯歯誌, Vol.5 No.1:2-24., 1998
医療は大きくわけてプライマリケア(予防医学)とタ−ミナルケア(ホスピス)のふたつの側面を持ちます.矯正歯科治療はふたつのうちプライマリケアに分類されます.せっかく矯正治療でいい歯ならびになったのにムシ歯だらけになってしまった.せっかく矯正治療でいい歯ならびになったのに顎関節症になってしまった.なんてしゃれにもならないですよね当院は同一フロアに辻 直子予防歯科を併設して,患者さんのそんな心配に応えております.